2014年08月17日

生きる道のそれぞれの背負いしもののあること(?)


   彼の兄は、彼の六歳歳上で、火災で両親を失ったあとは、それこそ、なりふり構わず、弟と二人、生き抜き、食い抜くために、何でもやった。兄は、頭脳明晰の人だったが、高校受験の前に両親を失い、人生の軌道を切り替えるしかなかった。中卒の兄と、小学四年の弟。不憫な兄弟を、親戚たちの誰も引き取るとは言わなかった。二人きりの兄弟に残ったものは、僅かな両親の蓄えと、焼け落ちた木造の
自宅跡の土地だった。

一年後、兄弟を助けてくれていた筈の叔父が、その焼け跡の土地を奪って行った。僅かな蓄えが無くなった頃、兄は、様子が変わった。金のために、なにをしているのかもわからなかったが、危ない橋を渡っていることはわかった。

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「兄さんが望んだ進学だから、ここへ進んだ。」
「それで、喜んでくれるの?それだけの、死人みたいな大学生活で、あの人は喜んでくれる?」
彼女は感情のない視線で、目の前の彼を見ていた。
「僕を育て、進学させるために、兄さんは、あんな目にあった。あんな目にあうことを、僕は望んでなかった。貴女もそうでしょう?」
「死を望む人は居ない。」
「命で作った学費できた学校で、僕は楽しい思いをするつもりはない。」
「頑固なところは、そっくりね。」
彼女は涙を流した。

一つの不幸が、連鎖を生んで、どこまでもがいても、希望の光を見出だせなくて、僕らは黙して生きていた。嬉しいも、哀しいもない、ただただ、音もない湖面のような精神の静寂。

彼女は何故、現れたのだろう?私の(俺の)濃い眉毛をどうにか薄くする方法とは?
posted by みそら at 23:10| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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